日常路線

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「快速線」とは何なのか①

快速線ではない方の「総武線」。総武線もいくつかある。
 
電車の路線名というのはややこしい。
 
単純に名前の問題なのかもしれませんが、
慣れていない人にとっては自分の最寄り駅に帰るだけでも精一杯です。
 
特にJRは運行範囲が広い上に、「〜ライン」といった、決して単純ではない運転系統が多く、とてもわかりにくいのが現状です。
 
そんな中で、今回テーマにするのが「快速線」です。
快速線」という名前からは速そうなイメージではありますが、実際にはどうなのでしょうか。
 ▲同じ場所に色の違う2つの路線。
 
快速線」というのは案内方法のひとつで、
実際には「〇〇線(快速)」や「〇〇線快速」といった案内もよくありますが、
いずれにせよ快速専用の路線があるということには変わりません。
 
では「快速線」とは何なのでしょうか。
 
JRの「快速線」は3つあります。
一つ目は東京駅から新宿駅を経由して立川駅八王子駅へと至る「中央線」。
二つ目はその中央線とは全く反対の千葉方面へと至る「総武線」。
そして最後は上野駅から北千住駅柏駅などを経由して茨城方面へと至る「常磐線」です。
 
 ▲JRの快速3線のラインシンボル。左から「中央線快速」「総武快速線」「常磐線快速」。
 
この路線はいずれも関東屈指の混雑路線です。
そのため、朝ラッシュ時の運行本数がとても多く、それに伴い遅延も多く発生しています。
 
この混雑は今に始まったことではなく、
戦後の高度成長期では今よりも酷く、混雑率が300%を超える路線もありました。
 
そのため、当時の国鉄は「通勤五方面作戦」と題して、輸送力の強化を図りました。
そのうちの一つに「複々線化」がありました。
 
 

複々線」とは?

よく田舎の路線で「単線(たんせん)」という言葉を聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。
これは文字通り「線路が単一」、つまりその路線に線路がひとつしかないという事です。
当たり前のように思うかもしれませんが、これはつまり、上下で(行きの列車も、帰りの列車も)同じ線路を走行しているという事です。勿論、駅などで一時的に線路が分離してすれ違いが出来るようにはなっていますが、これでは列車の本数を安易に増やすことが出来ません。
 
そこで都市部では通常「複線(ふくせん)」といって上下で線路を分離させます。
こうする事により、反対方向からの列車の待ち合わせを行う必要がなく、スムーズな運行が出来ます。
 
 ▲「単線」と「複線」。単線がすれ違う場合には駅などで反対方向の電車を待ち合わせる必要がある。
 
そうなると利用する人が増え、長距離で利用する人も増えることから「快速」や「特急」など、一部の駅を通過する列車が登場します。
「快速」や「特急」などが増えるとその分「各駅停車」の列車は追い抜かれる為の「待ち合わせ」や「通過待ち」などが増え、遅延も出やすくなってしまいます。
 
そういったことで、「快速」「特急」の線路を分離してしまおう、というのが「複々線(ふくふくせん)」です。「ダブルの複線」なので、同じ場所に4つの線路があることになります。
 
▲「複線」と「複々線」。「快速線」の方には「特急」も運行する。
 
こういった「複々線」のうち、「快速」「特急」が運行するのが「快速線」というわけです。
正式には「急行線」といいますが、JRでは「快速」が主流となって運行する為、「快速線」と呼ばれています。対する各駅停車が走行する方はの方は正式には「緩行線(かんこうせん)」といいますが、一部の案内を除いてはあまり「緩行線」とは呼ばれません。
 
では、「特急線」は存在しないのかというと、ないわけではありません。
「特急線」とは呼ばれませんが、ほぼ同じ機能を持っているのが「新幹線」です。
ただ残念な事に、現在では上記3線に並走する「新幹線」はありません(中央リニア新幹線が建設中)。
 
 ▲「特急」専用路線である「新幹線」。すべてが速い。
 
次回は各路線の特徴を探っていきます。
 
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