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「快速線」とは何なのか②


複々線のうち、「快速」や「特急」が運行するのが「快速線」です。

では快速線のあるJRの3線について詳しく見ていきたいと思います。
 

直通先の異なる「総武線

▲黄色いラインの各駅停車(写真左)と、青いラインの快速(写真右)用電車
 
まず、東京と千葉を結ぶ「総武快速線」です。
他の2線(中央線、常磐線)は「快速線」「快速電車」「〇〇線 快速」など呼び方が様々ですが、総武線に関しては自動放送でハッキリと「総武快速線」と呼んでおり、路線としてしっかり確立した表現となっています。
 
実際に、各駅停車とは「ホームライナー」や一部の特急以外は基本的にダイヤが分離しており、且つ快速線は「横須賀線」と相互直通運転を行っています。
基本となる種別は「快速」ですが、追加料金が必要となる「特急」や、通勤時間帯でのみ運行する「通勤快速」なども走行しています。
 
一方、緩行線(以下、各駅停車線)の方は、後述する「中央線」の各駅停車線と直通運転を行っており、合わせて、「中央・総武線」と呼ばれています。
 
以上のような事から、総武線においては「各駅停車」と「快速」で次のような使い分けができます。
 
▲「快速」と「各駅停車」ではラインシンボル(英字)やカラーも異なる
 
■各駅停車線
・快速が通過する駅を利用するとき
・快速が経由しない駅(両国、浅草橋、秋葉原御茶ノ水)を利用するとき
四ツ谷、新宿、三鷹など、中央線方面を利用するとき
東京メトロ東西線直通電車を利用するとき
 
・早く移動したいとき
・各駅停車が経由しない駅(新日本橋、馬喰町、東京)を利用するとき
・新橋、品川、横浜など、横須賀線方面を利用するとき
・千葉から先の総武本線方面を利用するとき
 
 
 

扱いが曖昧な「中央線」

▲快速はオレンジ色(写真左)、各駅停車は総武線と全く同じ
 
次に「中央快速線」です。
便宜上、ここでは「中央快速線」と使っていますが、実際の案内上ではあまり「快速線」とは言わず、単に「中央線」と呼ばれることが多いです。
これは、早朝や深夜になると、各駅停車が「総武線」との直通運転をせず、快速線の神田駅や東京駅へ乗り入れる為、完全に「快速」のみが走行する路線ではないということや、各駅停車の方が中央線区間であっても直通先の「総武線」と呼ばれることが多いためです。
 
また、他の2線と異なる点が以下のようにあります。
・快速区間が短い(御茶ノ水〜中野)
・他の快速線は最大15両編成なのに対し、中央線は10両編成
・種別が多い(快速、通勤快速、中央特快、青梅特快、通勤特快など)
 
「種別」に関してはJR東日本の路線の中では圧倒的です。
これは快速区間が短いとどうしても「快速」の停車駅が多くなってしまう為、
それよりも停車駅の少ない列車を増やした結果といえます。
なお「特快(とっかい)」は「特別快速」の略称で、こういった呼び方は他の路線ではあまりしていません。
 
では、中央線における「各駅停車」と「快速」の使い分けを考えていきます。
 
▲ケチャップとマスタードのような色の組み合わせ
 
■各駅停車線
・快速が通過する駅を利用するとき
秋葉原船橋、千葉など、総武線方面を利用するとき
東京メトロ東西線直通電車を利用するとき
 
・早く移動したいとき
・各駅停車が経由しない駅(神田、東京)を利用するとき(早朝、深夜を除く)
三鷹から先の八王子方面を利用するとき
 
 
 

複雑な運転系統の「常磐線

▲青いラインの「常磐線」(写真右上)と、緑色のラインの「快速電車」(写真左上)と「各駅停車」(写真下)
 
最後に「常磐快速線」です。
この常磐線はJRの運行情報などを見ると「常磐線快速電車」「常磐線各駅停車」「常磐線」という3つの路線が存在していることになります。この最後の「常磐線」とは何なのでしょうか。
これは中央線や総武線でいうところの「本線」のような存在で、東京から近い距離だけではなく、
水戸や高萩といった長い距離を走行する列車がこの「常磐線」となります。
この詳細は後日別記事にて説明します。
 
近年では上野東京ラインの開業により、東海道線の品川駅まで乗り入れるようになり、
利便性は高まっていますが、運転系統はさらに複雑化しています。
 
まとめると以下のようになります。
 
▲「JL」のLは各駅停車を意味するLocalから
 
■各駅停車線
・快速が通過する駅を利用するとき
東京メトロ千代田線直通電車を利用するとき
 
・早く移動したいとき
・各駅停車が経由しない駅(南千住、三河島、日暮里、上野)を利用するとき
・東京、新橋、品川など、上野東京ラインを利用するとき
・取手から先の土浦・水戸方面を利用するとき
 
 

いかがだったでしょうか。
JRの複々線化によって、同じような名前の路線でも性質が全く異なる路線になっていることがわかったかと思います。
是非、この知識を活かして「快速線」を有効活用してみてはいかがでしょうか。
 
 
といいつつ、
目的地に行くにはやはりアプリで調べるのが確実ですよ。
 
 
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※掲載している内容はあくまで個人の見解です。
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